同人ボードゲームの製作数について、時間ベースで考えてみる。
いったい何個作ればよいのか
同人ボードゲームに限らず、同人と名のつく活動においては度々話題になりますよね。
イベントでの頒布数は何個が適切ですか?
これに対しては、知名度、品質、値段と諸々の要素があるため答えは永久に出ないでしょう。
むしろ適切な答えが出せる能力を持っているのでしたら、どんな企業からも引っ張りだこでしょう。
とはいえ、適切な個数は見積もれなくとも、その個数を頒布する=何を達成したことになるのか、は考えることができます。
今回は、シンプルに時間ベースで考えてみましょう。
ゲームマーケットで頒布する場合
ゲームマーケット2018秋の開催概要を見てみましょう。
10時から17時の7時間があなたが頒布することの出来る手持ちの時間になります。
単純に時間÷頒布数で計算すると
50個 8分24秒に1個
100個 4分12秒に1個
150個 2分48秒に1個
200個 2分6秒に1個
300個 1分24秒に1個
500個 50秒に1個
上記のペースで頒布する必要があります。
実際には事前に情報を入手してやってきてくれる朝ブーストであったり、
昼時や夕方は人が減ってくるなどの要素はありますが、
基本的には上記のペースで、その場で知ってもらい購入していただくのが条件となります。
試遊してもらった方に購入してもらうのを主眼においている場合には、1回の試遊で体験してもらえる人数とかかる時間が上記に到達しているかを考えておく必要があります。
それでちょっと足りないなと思ったら、試遊以外に興味を引く手段を用意する訳です。
コミックマーケットで頒布する場合
コミックマーケット94の開催概要を見てみましょう。
10時から16時の6時間があなたの頒布することの出来る手持ちの時間になります。
が、コミックマーケットの場合にはゲームマーケット以上に人の減少が早いです。
更に朝に入れるような気合の入った参加者は大手のサークルを求めている割合が高いです。
なので11時から15時くらいで考えた方が妥当だと考えられます。
その前提で計算すると
50個 4分48秒に1個
100個 2分24秒に1個
150個 1分36秒に1個
200個 1分12秒に1個
300個 48秒に1個
500個 29秒に1個
上記のペースで頒布する必要があります。
コミックマーケットの大手サークルなんかになると2時間足らずで500冊とか頒布していますが、実に15秒に1冊ペース。
事前の知名度が無いと現実ではないことが分かりますね。
ちょっとそのペースは難しいのでは?となった場合
ここまで読んで、1日だけの参加では在庫をはけないかも、けど原価を考えるとこれ以上作る数を減らすのは…と思った人に朗報です。
数を減らせないなら時間と場所を増やせばいいじゃない。
そう、露出する数を増やせば難易度は緩和されます。
- ゲムマに片日だけでなく両日出展の機会を作る。
- ゲムマ春とゲムマ秋の両方に出展する。
- ゲムマだけではなくコミケでも出展する。
- 自前の通販を行う。
- ボードゲームカフェに委託販売をお願いする。
色々ありますね。
私のように原価高めである程度数作らないと超高級品になってしまう…みたいな方は先に考えておくのもいいのではないでしょうか。
私は今から考えざるを得なくなっております。
もっと頒布数のことを考えたい!という場合
以下の考察や体験談はどれも良い記事で参考になると思います。
が、この記事含め、あくまでも「頒布数を考える」という目的の上では参考情報です。
あまりに多くの情報に振り回されることなく、冷静に考えてみるのが重要だと思います。
オグランドさん
サークル側の視点ではなく、ゲムマ参加者の構成から考察を行っています。
ゲムマのサークル数や参加者数は毎回変動するので、数字そのものは変化するかもしれませんが、考え方はかなり普遍的なのではないかと思います。
ペンとサイコロさん
ゲムマ出展者へのアンケート結果をまとめた内容となっております。
2016年のアンケートなので少し事情が変わっているかもしれません。
パティスリージレンマさん
初めてのボードゲーム制作とゲームマーケット出展で考えたこと、分かったことまとめ
頒布数だけでなく、プロモ戦略、かかった費用など細かく公開されています。
有料Noteの詳細版もあり、非常に読み応えがあります。
角刈書店さん
鳴海製作所娯楽部さん